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生ごみのキホン
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ごみ?廃棄物?どう違うの?

ごみ箱、ごみ捨て、ごみ置き場・・・
私たちの日常生活でよく使うごみという言葉、そもそもどのような意味なのでしょうか。
広辞苑(岩波書店発行、第六版)は次のように説明します。

“濁水にとけてまじっている泥”

“物の役に立たず、ない方がよいもの。ちり。あくた。ほこり。また、つまらないもの”

「役に立たず、ない方がよい」ため、いずれ捨てるものがごみということですね。
では、廃棄物はどうでしょうか。法律※1を調べてみると・・・

“ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)”

つまり、ごみは廃棄物の一部、ということですね。
一般的に、ごみは一般市民の生活から排出される、身近な廃棄物のことを指します。

※1:「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法、昭和45年12月25日公布)

廃棄物の種類

廃棄物は大きくわけて二種類あります。
産業廃棄物とそれ以外の一般廃棄物 です。

一般廃棄物

主に家庭(家庭系)やオフィス、飲食店などの事業活動の一部(事業系)からでるもの

産業廃棄物

主に工場や農場、建設現場などの事業活動からでるもの

産業廃棄物は、法律で定められた20種類と輸入された廃棄物を指しますが、排出元によって同じ廃棄物でも産業廃棄物になるものと一般廃棄物になるものがあります。
例えば、紙くず。紙製造業や製本業、建設業など特定の業種から排出されるものは産業廃棄物に、それ以外のオフィスや学校などから排出されるものは一般廃棄物(事業系)に分類されます。
一般廃棄物はより一般市民の生活に近いところで発生するもの、と覚えておくといいですね。

廃棄物の区分

一般廃棄物 市町村の処理責任 産業廃棄物 市町村の処理責任 一般廃棄物 市町村の処理責任 産業廃棄物 市町村の処理責任
  • ※1:一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染症その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずる恐れのあるもの
  • ※2:燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残渣(さ)、動物系固形不用物、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、動物のふん尿、動物の死体、ばいじん、輸入された廃棄物、上記の廃棄物を処分するために処理したもの
  • ※3:産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染症その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる恐れがあるもの

廃棄物全体のうち、一般廃棄物は10.4%。これは1人1日当たりのごみ排出量に換算して958グラムです。
またこのうち、家庭系一般廃棄物は65.0%、つまり廃棄物全体の6.2%を占めます。これだけをみると、一般市民一人ひとりが出すごみの影響は、それほど大きくないように感じるかもしれません。

生ごみとは

生ごみとは、食べ残しや調理くずなど、水分を多く含むごみを指します。
家庭の台所から出るものもあれば、農場や食品加工工場、市場や飲食店で出るものもあります。
生ごみは、「食品廃棄物」ともいわれ、食品の製造・流通・消費各段階で排出される産業廃棄物と一般廃棄物の総称です。

フロー図

このうち、生ごみを一番多く排出しているのはどの段階でしょうか。
実は、その約半分が消費段階(家庭)で出ているのです。
また、一般廃棄物全体にしめる生ごみの割合の高さも見逃せません。
一般廃棄物は市町村などの自治体が処理責任を負っており、税金でその費用を賄っているからです。
私たちのもっとも身近で重要なごみ問題は、生ごみといえるかもしれません。

一般廃棄物に占める食品廃棄物の割合

円グラフ

生ごみ処理の現状

一般廃棄物として排出された生ごみは、市町村などの自治体が回収・処理します。
多くの自治体で、生ごみは「燃えるごみ」として回収されますが、実に86%が焼却・埋立処分となっており、リサイクル(再生利用)が進んでいません。
産業廃棄物として排出された生ごみの20%に比べると、焼却負担がとても大きいことがわかります。

棒グラフ

では、生ごみのリサイクル(再生利用)とはどのような方法があるのでしょうか。
大きくわけて、3つの方法(3つのF)があります。
飼料化(Feed)、肥料化(Fertiliser)、燃料化(Fuel)で、この順番にエネルギー効率が下がります。
製造段階で排出される生ごみの70%以上は飼料としてリサイクルされるのに対し、流通段階では飼料化、肥料化、燃料化それぞれのリサイクル方法が実践されており、また消費段階では肥料化・燃料化が主です。
これは、バリューチェーンの川上に行くほど、均質な生ごみが大量に発生しやすく、よりエネルギー効率の高い飼料化が可能なためです。

以上から、消費段階(家庭)で排出される生ごみについて、次のことがわかります。

  • 製造・流通・消費3段階のうち、消費段階(家庭)は、

  • 排出量がもっとも多い

  • リサイクル率がもっとも低い

  • リサイクルのエネルギー効率がもっとも悪い

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